05.17 ミカるんX


『仮面ライダーディケイド』カブトの世界・完結編、お楽しみいただけたでしょうか。
 更新している時点で、脚本を書かせていただいた私自身完成した作品を未見だったりするんですが……。『仮面ライダーカブト』の世界をちゃんとリ・イマジネーションできていたかどうか、その判断はファンのみなさんにゆだねるしかありませんが、願わくばみなさんのお口に合う料理となっていれば幸せです。

 さて、ディケイドとともに直近の作品を御紹介させて下さい。秋田書店チャンピオンRED連載中の高遠るい先生のマンガ『ミカるんX』ドラマCDです。

 

 脚本を書かせていただいた作品ですのでお勧めしたいのは当然なのですが(笑)、商売抜きに(説得力ないなぁ(笑))素晴らしいドラマCDです。これはなんとしても聴いていただきたい!

 ジャケットのイラストだけではどんな作品か想像がつきにくいかも知れません。原作の内容を一言でいうと、二人の少女が合体・巨大化して(劇中では『合大(がったい)』といいます)、身長40メートルの全裸美少女になり、次々と地球に襲いくる怪獣・宇宙人といった侵略者と戦うというもの。なにしろ主人公が変身後は基本全裸ということで、エロ重視の作品かと思いきや、作品には第2期怪獣ブームの頃の特撮作品へのオマージュ、リスペクトが横溢しており、一読していただければ分かるのですが、その魂は正統派の特撮ヒーローもののそれに他なりません。さらに底層には王道SFの思想も貫かれていて、SF、怪獣、特撮好きの人間にはたまらない、必読の作品といっても過言ではありますまい。

 ドラマCDでは主人公・鯨岡ミカ役に『図書館戦争』でも主人公を演じていただいた井上麻里奈さん、さらに阿澄佳奈さん、斎藤千和さんといった豪華キャストを揃え、ナレーションはなんと、宇宙刑事シリーズやトランスフォーマー、自分にとっては『超人機メタルダー』以来の憧れの的である政宗一成さんが担当して下さっています。『絵』の見えないドラマCDではナレーションの担う役割が大きいのですが、政宗節のお影でナレーションが単なる状況説明でなく、情感を煽り独特のリズムを生み出しテンションを高め……もう、えらいことになっとります!(笑)
『フレッシュプリキュア』などの高梨康治さんの主題歌&音楽も素晴らしいのですが(ウルトラシリーズのパロディシーンの音楽に関しては非常に無理なお願いを聞いていただき感謝です!)、さらに特筆すべきが飯田里樹さんによる音響演出! 原作は美少女と怪獣が売りの作品なのですが、音でしか表現できないドラマCDでどうやってその魅力を再現するか、特に主人公が巨大化し怪獣と戦うクライマックスを音声でどう表現するかが難題でした。これはもう聴いていただく他ないのですが、とにかく見事な音響演出で、巨大戦の迫力は見事に表現されています。特撮ヲタの私が言うんだから間違いありません。また劇伴音楽の使い方も随所に渡って素晴らしく、第2巻クライマックスシーンでは聴いていて鳥肌が立ちました。

 とにかくぜひ聴いていただきたいドラマCD、ポニーキャニオンから第1巻は発売中、第2巻は6月29日に発売されます。売れ行き次第ではアニメ化も……なーんて話ももちろんないわけではないと思いますので(笑)、お買い求めの上、ぜひ御一聴を!

 そして原作は第3巻までが発売中で以下続刊。こちらもぜひお読み下さい。あとあと、高遠るい先生の既刊『CYNTHIA_THE_MISSION』全9巻もめちゃめちゃ面白いのでオススメです。こちらは私まったく関係しておりませんが(笑)。


05.14 ファイナルライブツアー

 ゴールデンウイークを目前に控えた4月の週末、家族を連れて大阪に行ってきました。
 交通手段は自家用車。4月から高速道路の料金がどこまで走っても一律千円(首都高など一部を除く)となったおかげで、家族5人で大阪まで行って、往復の交通費がガソリン代含めても1万5千円ですよ、奥さん!
 確かに運転による疲労はあるけれど、新幹線で行こうものなら往復で大人一人2万6千円、家族5人となると10万円近い出費になります。今回の高速道路の値下げはいろいろ問題も孕んでいるようですが、利用する立場からすれば、まったく有り難いことです。おかげでゴールデンウイーク中は各高速道路が大渋滞したようですが、今回の旅行は連休前ということで道路もいたって快適。
 逆に連休中、古怒田家は地元の埼玉から一歩も出ずに過ごしました(笑)。

 名神高速道路から大阪市街地への入り口となるのが吹田インターチェンジ。長いドライブの末、いよいよ大阪に着いたとホッとした私の目に飛び込んできたのが、朝日に輝く太陽の塔でした。そのまま大阪市街へ向かう予定を変更し、インターチェンジを降りて万博公園を訪れたことは言うまでもありません。

 20代(30代?)以下の方には、大阪万国博覧会のイメージよりも、むしろマンガ及び映画『20世紀少年』のモチーフになったという印象の方が強いかも知れません。うちの中3の長男などは、見るなりT-REXの20th Century Boyを口ずさんでおりました。

 しかしリアル20th Century Boyである私にとっては、やっぱりこの太陽の塔こそが少年時代に夢見た「未来」の象徴であり、28年前、大阪府吹田市千里丘に出現した巨大な未来都市は、その後に訪れたいかなるテーマパーク(もちろん千葉県浦安市舞浜のあれも含めて)よりも胸を高鳴らせてくれるものでした。そういえば「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」はそんな世代人の心情を見事に描いた映画でしたね。

 前にもここで書いたかも知れませんが、ネズミの国をはじめとするテーマパークや遊園地が、客のニーズに応えるエンタテインメントを目指しているのに対して、大阪万国博は各々のパビリオンの出展者、プランナー、デザイナーたちがかなり身勝手に自己表現を目指した結果として、純粋にワンダーでカオスな空間を現出していたと思います。来場客に媚びていないと言うか、突き放した感じがありました。それが当時少年だった自分にとっては、垣間見るクールな大人の世界に感じられて、心地よかったのです。この太陽の塔だって、なぜこんな形をしているのか、わけわかんないじゃないですか(笑)。しかしそれでいてメチャメチャかっこいい。
 現在の子どもたちがこの感覚を味わえる場所ってあるのでしょうか。

 28年振りに訪れた千里丘は太陽の塔(と鉄鋼館、エキスポランドの一部)だけが残され、特に目立った再利用もされず広大な公園となっていて、まさに夢の跡地と呼ぶに相応しい光景を見せて、私を快い切なさに浸らせてくれました。

 今回の大阪旅行の最大の目的は、私がキャラクターショーの脚本を書かせていただいた『炎神戦隊ゴーオンジャーファイナルライブツアー2009』の大阪公演を見ることでした。この公演は、俳優が出演する東京ドームシティのショーのような舞台を見られない地方のファンのために、3月14日から4月19日まで、浜松・仙台・静岡・名古屋・札幌・大阪・広島・福岡の8大都市を回って上演されたもの。一年間活躍したゴーオンジャーたちの(おそらくあるであろうVSシンケンジャーを除けば)最後のステージを、家族とともに見ることができたのはこの上ない幸せでした。
 すでに終わった公演ですが、6月21日、東映ビデオより公演を収録したDVDが発売されますので、劇場で御覧になった方も、見られなかったファンのみなさんもぜひともお買い求めになり、御覧になって下さい。

 せっかく大阪まで来たのだからと、大阪城も見てきました。無性にプラモデルが作りたくなりました(笑)。


05.10 仮面ライダーディケイド

 本日放送の『仮面ライダーディケイド』第16話「警告:カブト暴走中」御覧いただけましたでしょうか?
 昨年度のスーパー戦隊シリーズ『炎神戦隊ゴーオンジャー』に続き、特撮ヒーロー作品のビッグタイトルである仮面ライダーシリーズに初参戦させていただいた作品です。監督はテレビ朝日の田村直己さん。歴代平成仮面ライダーシリーズでの優れた演出、とりわけ自分としては『仮面ライダーカブト』第4話、弟に擬態したワームを倒さなければならない加賀美の葛藤と、雨粒が静止する中でのクロックアップ戦闘が見事に融合したシーンに感動し、そのカブトをモチーフにした作品でコンビを組ませていただけることを大変幸せに感じています。
 次週の第17話は、今回のエピソードの完結編です。ぜひ御覧下さい。

 実は田村監督とコンビを組ませていただくのは今回が初めてではありません。
 コヌラボの更新をさぼっていて告知もできませんでしたが(^^;、今春、テレビ朝日アナウンサー公演『Voice6 ヴィーナス・エスケープ』という舞台で、井上敏樹さん監修、石橋大助さん、戸塚直樹さん脚本協力で私が執筆した脚本を、田村監督に演出していただきました。
 この『Voice』という公演は、テレビ朝日のアナウンサーのみなさんが表現力を高めるための勉強の一環として行っているもので、最初は朗読中心だったものが、次第に本格的な演劇になり、第6回公演となる今回は、本職の舞台俳優でも難しいような役柄に、アナウンサーのみなさんが挑戦しています。
 昨今、タレント的な要素も求められるテレビ局のアナウンサー。しかし、アナウンサーである以上、本来の仕事は情報を伝えるということ──。本当に良いアナウンサーというのは、いったいどんなものなんだろう? ……そんなテーマを、わけもわからないまま牢獄に閉じ込められ、脱出を計ろうとするアナウンサーたちの姿を通して描いたコメディです。主演は大木優紀さん、市川寛子さん、前田有紀さんの女子アナトリオ。前田有紀さんは今回の『ディケイド』にもアナウンサー役でゲスト出演していただいていて、作品を見ながら、ちょっと嬉しくなってしまいました。
 近々テレビ地上波での放送の予定もあるようですので、新聞のテレビ欄などで見かけたら、こちらもぜひ御覧になって下さい。


公演終了後の記念写真。前列右から6人目が田村監督。右端が私です。
手をパーにしているのはテレ朝が地デジで5チャンネルになったのを
現していたりします(^^;