11.04 Choice
日本では新規参入球団が決まったり、アメリカでは新しい大統領が決まらなかったりしていますが、みなさんはいかがお過ごしですか?
アメリカの大統領はともかく、新規参入球団が案の定、楽天だったので、日本中の心あるプロ野球ファンはなにかモヤモヤしたものを抱えていると思います。
あらゆる世論調査で、仙台市民はライブドアを支持していることが明らかになっていたし、全国のファンの気持ちも同じだったことでしょう。だって、楽天は後出しジャンケンだし、近鉄が合併消滅というときに、最初に買収したいと手を挙げて、オーナー主導の球界再編に歯止めをかけたライブドアの功績はあまりにも大きいのに、最後の最後で楽天がその手柄を横からかっさらっていくようで、納得いきません。
会社の規模がどうの、経営状態がどうの、挙げ句の果てに言いがかりにも等しいアダルトサイトの件とか、いろいろ言ってますが、結局は最初から、自分たちの息のかかった楽天=三木谷を選ぶつもりだったのは見え見えです。朝日新聞では三面でやくみつるが「閉鎖社会に物わかりのいい新しい仲間がやってきた」と皮肉ってますが、読売新聞なんかだと、その辺どうなんでしょうね。西村欣也さんの言うように、三木谷が今は猫を被っているけれど、決まったとたんに球界改革の旗手に変貌してくれればいいんですが。
そもそもファンは、旧来の経営陣、オーナーたちのやり方に辟易していて、そこにNO!を突きつけてくれそうな存在だから、ライブドアの堀江社長を支持していたんだし、そういう風雲児が参入してこそ、プロ野球も盛り上がるはずなのに。自分たちから、球界が盛り上がらない方を選ぶなんて、経営者として無能というか、下手すれば背任行為じゃないですか?
とはいえ、仙台に新球団が出来て、来年もセパ12球団で野球が出来て、日本シリーズも安泰というのはめでたいことです。今までの段取りで進むなら、東北楽天ゴールデンイーグルス(略称は東北イーグルスがいいなぁ)は、オリックスバファローズのプロテクトから外れたおこぼれの選手で編成されるはずですが、これだけ世間が盛り上がってしまうと、以前にも書いたように、オリックスの好き勝手には出来ないでしょう。一場のゴタゴタも、新球団には追い風になりそうだし、そこそこのメンバーが集まりそうです。
どうやら日大の那須野が横浜を逆指名するらしく、このタイミングで言い出すのは非常に勇気が要るのだけれど、やっぱりこの秋のドラフトから完全ウエーバー制を導入するべきで、楽天にはぜひそう主張して欲しい。三木谷オーナーは、既存のオーナーたちの口車に乗って、自由枠や逆指名制の維持に賛成したら、多くのファンの失望を招くことを自覚するべきです。
それともうひとつ、横浜ファンとしては心苦しいけれど、言っておかなければならないことがあります。
新チームの初代監督となる田尾安志は、中日在籍時に大洋ホエールズの長崎慶一と首位打者の座を争ったことがあります。最終戦は中日と大洋の直接対決。打率でわずかに田尾を上回った長崎は試合を欠場し、田尾は大洋投手陣の敬遠責めにあい、首位打者を逃します。(それと引き替えるように、中日はこの試合に勝ちリーグ優勝しています)タイトルを獲るために勝負から逃げるこの日本プロ野球独特の習慣は現在も続いており、今シーズンもカープの嶋が、首位打者を獲るために、セ・リーグ最多安打記録を犠牲にしてまで試合を休んだりしています。
勝負を避けられ、首位打者の座を逃した苦い経験を持つ田尾を初代監督とするのだから、新チームはチーム規約の中に、タイトル獲得のためのズル休みはしないということを明記してはどうでしょうか? そんなことだけでも、従来の日本プロ野球に一石を投じることが出来るし、新しい球団が既存球団とは違うことを強烈にアピールすることが出来るはずです。なにより、ファンは必ず支持します。他のチームは青くなりますよ。横浜を追われた山下大輔がヘッドコーチをつとめ、駒田がバッティングコーチに就任するという東北楽天、素直に応援する気にはまだなれませんが、プロ野球を変える存在になってくれることは、大いに期待しています。