08.22 FAHRENHEIT911

 話題の『華氏911』。いや、見に行ったって話じゃないんです。
 テレ朝で深夜にやってる『虎ノ門』て番組があるんです。「蘊蓄王」で有名だと思うんですけど、あれは不定期のスペシャルみたいなもので、普段はよくある深夜バラエティーなんですが、井筒和幸の映画評のコーナーがあって、先日の放送でこの作品を取り上げていました。
 井筒監督いわく「取材が足りない」「ツッコミが甘い」「NHKスペシャルのスタッフならもっといいものを作る」「こんな作品に賞をやったカンヌ映画祭なんてやめちまえ」と言いたい放題。どうやら監督、マイケル・ムーアの著書を事前に読んでいたらしく、そこに書いてあることから踏み出さない、この程度の内容なら危険でもなんでもないと主張します。
 私も見た訳じゃないんで、あまり突っ込んだことは言えないんですが、井筒監督の主張、半分は的を射ていると思うけど、あと半分には異議ありです。
 内容が物足りないのは、きっとそうなのでしょう。日本のドキュメンタリー専門のスタッフなら、もっと突っ込んだものを作る、という意見も、NスペやNONFIXのファンである私は認めましょう。しかし、だからといってこの作品に存在意義がないというのはどうでしょう?
 井筒監督はインテリです。世界情勢もわかっているし、知識も豊富です。日本はアメリカにきわめて近い国だけれども、さすがに当事国ではないから、イラク戦争やブッシュに対する批判も散見します。しかし、この映画が作られた目的は、広くアメリカ国民や、情報が少ない、またはイラク戦争にあまり関心のない他国の人に、イラク戦争とブッシュのデタラメさを知らしめることにあります。もちろん内容が濃く優れているに越したことはないけれど、現政権に対して批判的な情報がオミットされているアメリカ本国では、貴重な作品であることは間違いありません。その辺の事情は在アメリカ映画評論家の町山智浩さんののブログが詳しいので、興味のある方はぜひどうぞ。申し訳ないけど、直リンクは気が引けるので、見たいという方は町山さんの名前で検索してみて下さい。
 世の中には、内容以前に行動そのものが評価されるべきことがあると思います。井筒和幸は映画監督だから、同じ作り手としてマイケル・ムーアを批判したのだと思うけれど、もっと広い観点から見れば、やはり『華氏911』は評価されるべき作品であると思います。え、私が見に行くかって? 私みたいな端っからバリバリ反戦、反ブッシュな人間は見に行く必要ないんじゃないかと……(汗)。


08.17 A world is also at last.

 ちょっと政治的な話をしたら掲示板が風雲急を告げてしまったのでとっとと更新。
 これ、写真が小さいんですけど見えます? カラオケの歌本ですよ。作ったんじゃななくて、カラオケやさんにいくと置いてある本物。もう笑うっきゃないですよねー。何者だよおめー!という感じで。世も末というか、カラオケもここまで来たかというか。もうこれでカラオケにどんな曲が入っていても驚かないよね。次の人が「木の葉のこ」っていうのもいい味だしてるよなぁ……(^^;)。ちなみに機種はB-karaです(暗に歌えと言っている……のか(^^;))。

 先日、またしても十数年前の日コロアニソン歌手コンテストの仲間で集まりました。石田燿子さん、沢崎靖英くん、それから北海道在住のあらいえみさんと、その音楽仲間の吉田知也くん。会うたびに、10年立ってもつき合える素晴らしい友だちを得たことの幸運を感じます。私以外のみんなは音楽活動続けていて、それはうらやましかったり、頑張ってるなあと感心したり。楽しい夜を過ごしました。

 

 そのときいただいたCD。左はあらいさんと吉田くんのユニット“くおくお”のweb Radio CD『くおくお3分通信』。右はオリジナルレーベル・ぺんぎんやから派生した企画CD・『Radio WAYA「今日もぷるぷるっ」』。ラジオ番組仕立てで、歌ありドラマありお便りコーナーあり。とても楽しい内容です。ぺんぎんやwebで通販もしてますので、ぜひ覗いてみて下さい。


08.13 エキゾスカウト

 ちまたで話題のコナミ食玩MJよりエキゾスカウト。
 MJのメカの中ではこのエキゾスカウトが一番好きです。ポインターなどウルトラ警備隊メカに並ぶ成田亨デザインの真骨頂として『MJ』のメカはどれも大変魅力的ですが、特にこの機体はリアリティとエキセントリックさが程良く同居していて、ピブリダーなどと比べても、一線を画していると感じます。なんでこんなに主翼が小さいのか? どうして機首がこんな形状をしているのか? これだけ奇抜な形で、なおかつそれが絶妙なバランスで全体像として成立しているのは、やはり何か生物をモチーフとしているのか? 成田さんのコメントも残っているのかもしれませんが、恥ずかしながら勉強不足で知りません。しかし、30年以上の年月を経て尚色あせない傑作デザインであることは断言できます。

 さて、私が脚本を担当した『ギャラクシーエンジェル』の二本目「思い出ぎゅうぎゅう鍋」も無事に放送を終了しました。お楽しみいただければこれにまさる幸福はありません。ベコちゃんのお芝居がよかったなー。
 同じ放送回のBパートは大和屋暁さん脚本の「そのとき歴史はプリンセスメロン」でした。フランス革命などの世界史のテキストをパロディにした作品でしたが、なぜか途中からガンダムのパロディも(笑)。ノーマッド型のモビルスーツ、ザクはともかくこれ(↓)にはまいりました。なぜゾック!? 水陸両用ならズゴックだってゴッグだってあるだろうに?!(笑) ゾック好きの私はイチコロでした(笑)。お願いだから、誰かガレージキット化して下さい。誰もしてくれない場合は自分で作ってしまう可能性アリ(笑)。

 おまけの不快リンク(笑)・「いまだに『いまだに飛行機代を払わないイラク人質三人組』なんていってる週刊新潮」
 5月、6月と更新をさぼっている頃、一番気持ち悪かったのがこの事件。いや、日本人がイラクで人質になったこと自体ではなく、それに対する国内の反応が気持ち悪かったのです。他国のジャーナリストたちは、さぞや日本のことを未熟な国だと思ったでしょう。国内にも、浅はかな「自己責任」論への批判はあったけれど、そもそもそこに一国の首相が荷担していたり、マスコミが支持したりすること自体、あり得ない、わが目わが耳を疑う出来事でした。その後、国外からの批判もあり、暴論は影を潜めたけれど、あの時人質の自己責任を声高に叫んだ連中はちゃんと反省しているんだろうか……と疑問に思っていたのですが、反省どころか、まだこんなこと言ってるメディアがあるとは呆れます。「週刊新潮」といえば、昔は「赤とんぼ」のメロディに乗せたCMがお馴染みで、もうちょっと品のある雑誌だった気がするんですが……。


08.10 いわく因縁の純喫茶

 

 あああ。
 また一ヶ月経っちゃいましたよ。時の経つのは早いもんだなぁ。まさに光陰矢の如し(^^;)。

 画像はとある純喫茶の看板です。いまどき「純喫茶」てのも珍しく、なかなか情緒があって良いものですが、この「丘」という喫茶店には少々因縁がありまして。
 上野の某所にあるこのお店、店の雰囲気や看板のロゴタイプが、昔お茶の水にあった純喫茶「丘」にそっくりで、姉妹店ではないかと思って入ってみました。聞けば、すでに亡くなられたこの店のオーナーはお茶の水「丘」のオーナーの弟さんで、分家にあたるそうな。やっぱりね。
 お茶の水の「丘」といえば、私が高校生だった80年代、界隈の大学のサークルのたまり場となっていた店であり、私が特撮ファンダムに足を浸すきっかけとなった全国規模の怪獣ファンサークル「ネオ・フェラス」の月イチ(だっけ?)会合の場所でもありました。
 最近は大学のサークル活動が下火になったといわれ、いわゆるコンパ系ばかりで、昔ながらの「××研究会」といったものはめっきり数が少なくなったようですが、当時はネットなどもなく、ヲタク系のファン活動は都内の喫茶店などを拠点に、口コミでそのネットワークを広げていました。お茶の水の「丘」がなければ、もしかしたら現在の私もなかったかも知れないなと、上野で偶然見つけたこの店でアイスコーヒーをすすりながら考えました。

 大好評放送中の『ギャラクシーエンジェル』第4期、私が脚本を書いた二本目のエピソード、第11話「思い出ぎゅうぎゅう鍋」が今週水曜日(11日)25:00より放送となります。ぜひご覧下さい。テレビ大阪公式サイトの予告画像、一番上のランファの顔が素晴らしい! 私が目指した「すき焼き、ことに肉を喰う幸せ」を見事に表現してくれていて、いやが上にも期待が高まります(笑)。ちなみにシナリオタイトルは「いわく因縁のインゲン豆」。このエンジェル隊のすき焼きパーティーがどうなっちゃうのかは、まあ見てのお楽しみということで。