01.30 クウガ!

 作品の放送開始までに、何人の方に見てもらえるでしょうか?(^^;)

 今日の画像は朝日新聞1/28夕刊に掲載された『仮面ライダークウガ』の番宣広告。広告が著作物かどうか悩む部分もあったのですが、なんたってより多くの人の目に触れさせるためのものだし、番組応援の一環ということで大目に見てもらいましょう。紙面の1/3を使っての堂々たるモノで、いやあ、力が入っています! その『仮面ライダークウガ』、いよいよ本日午前8時、放送開始です。文芸担当としてスタッフに加わっているTVヒーロー王からは、「絶対見てね!」と書かれたFAXも届いたりして、ちょっと他人事ではないような気もします(^^;)。新世紀前夜、いやが上にも期待は高まります。

 以下、あくまでも私見になりますが──。かつて16年ぶりのテレビシリーズ『ウルトラマンティガ』が製作されたとき、そのスタッフとして、ウルトラマンを心から愛する多くの人々が結集しました。しかしながら、それぞれの心の中の「ウルトラマン像」に差違があることに気付き、シリーズの中で「ウルトラマンとは何か」ということが模索された──というのは、たくさんのスタッフが証言していることです。「ウルトラマン探し」ともいうべき作業の中から生み出された、現代に相応しい、本当の意味でのウルトラマン=『ティガ』。

『RX』以来久々のTVシリーズ、『クウガ』のスタッフにもまた、心から「仮面ライダー」を愛する人々が結集しているのでしょう。みなぎる意欲は放送前の情報からもビシバシ伝わってきます。大物キャラクターの復活ということで、とりまく状況はよく似ていると思います。(蛇足ながら……『ダイゴ/ゴダイ』『ティ“ガ”/クウ“ガ”』『古代戦士の復活』……両作品には不思議な符号も垣間見えます)

 しかし、今はまだ「仮面ライダーとは何か」という問いにも、様々な答えがあるはずです。唯一無二の答えを、今すぐに出すことは誰にもできないでしょう。現時点でクウガが仮面ライダーか否かという議論をするのはあまりにもナンセンスだと思うのです。『クウガ』というシリーズを通して、その答えは自ずと浮かび上がってくるはずです。慌てることはありません。あくまでものんびりと、ただし、期待は胸一杯に──。現代に相応しい、真の意味での『仮面ライダー』の誕生を、この一年、刮目して見守ろうではありませんか!


01.29 A MILLENNIUN

『宇宙船』の構成というのは、作品ごとにほぼ担当ライターが決まっていて、『ゴジラ2000ミレニアム』(公開中に表記が変わりました。公開前は“ミレニアム”は2000のルビだったのだ)の担当は私ではないのだけど、諸事情ありまして(笑)、91号に掲載されている大河原孝夫、鈴木健二両監督のインタビューは取材が江口、執筆は私になっています。その中で、鈴木さんがおっしゃっているんですが、ミレニアンはもう最初っからタコにしようと決めていて、観客が笑っちゃうぐらい漫画っぽいものにしたかったそうで、これはもう、私は見事にその術中にはまったのでした。好き好きミレニアン! というわけで、以前うちのBBSで江口くんが教えてくれたミレニアン唯一の立体商品、食玩「ゴジラ王国」のオルガをゲット! このミレニアンはおまけなのね(笑)。鏡の上に乗っけて下から照明があたるようにして撮影。モノが小さいのでディテールがわかりにくいと思いますが、頭の笠の裏側にキノコみたいなヒダがあるのが判明(笑)。タコだけじゃなくシイタケも入ってるようです。ああ、これが活躍する映画がもっと見たいなぁ。


01.26 MASKED RIDER(AGAIN)

 今日の画像は食玩の「ザ・ライダーマシン」の旧1号ライダー&サイクロン。フィギュアは完全彩色済みだし、組立式のサイクロンはクリアパーツと塩ビのホイールで再現度高く、これで300円はお買い得です。このクリーム色のサイクロンのパーツを眺めていると、放送当時バンダイから発売されていたプラモデルを思い出して、ちょっとノスタルジック。

 さて、ライダーといえばいよいよ今度の日曜日から最新作『仮面ライダークウガ』の放送が始まりますね。本当に楽しみです。
 折しも今、オートレースのCMに本郷こと藤岡弘さんと新1号が起用されていて、これがなかなかその気にさせてくれます。このCMのポイントを自分なりに考えてみると、サイクロンの爆音がオリジナルのSEというのが良いんですね。あの「ファウ〜ン!」という音は、私がよく知っているサイクロンの爆音以外の何ものでもありません。ウルトラマンもそうですが、大ヒットした作品には独特の効果音があって、それは決して記憶から消えることはありません。ライダーでいうと、変身の音、ジャンプしたときの音、それからライダーが怪人を叩いたときの「ボコンボコン」という自動車のボンネットを叩くような音。それらの音なしにはライダーという番組は考えられません。新しい仮面ライダーがどんな音を聞かせてくれるのか、それも楽しみにしたいと思っています。


01.25 BOOKS

 やっと戻って参りました(^^;)。いやぁ、今回は長かったなぁ、いつにもまして。修羅場を抜けたのは先週の木曜日。てっきり自分がアンカーだと思っていたら、まだ終わっていないライターが二人もいて、そのフォローが終わったのが土曜の朝。発売日に『宇宙船』がちゃんと店頭に並んでいたら、奥付に書いてある版下屋さんと印刷会社に、心の中で拍手を送って下さい。いやもう本当に今回はすみませんでしたm(_ _)m>関係各位
 そんなわけで今日は、締切に追われる苦しい毎日の中で、一服の清涼剤となってくれた本を2冊ご紹介しましょう。いずれも、『特撮』でも『ヒーロー』でもなく、『怪獣』そのものにスポットを当てた本です。特撮ファンならいずれもすでにご存じかもしれませんが。まずはこれ。


帰ってきた怪獣魂/双葉社/933円(税別)

 ひと見開きで一匹ずつ怪獣をとりあげ、その魅力について語るという本。字で読む怪獣図鑑みたいなものですね。ここで取り上げられている怪獣は全48匹。第1弾『ザ・怪獣魂』に続く2冊目ということもあり、多少登場怪獣の知名度は落ちるものの、ゴジラ、ガメラ、モスラ、ゴモラ、シーボーズ、ベムスター……といった幾多の名怪獣たちに混じって、我がソドムが掲載されているんです。いわく、ウルトラシリーズには怪獣の生態観察番組という側面もあり、久々にその楽しさを味あわせてくれた怪獣とのこと。これは我が意を得たり、非常に嬉しい評論でした。これを書いてくれた秋山哲茂さんという方、面識はないんですが、この場を借りて感謝を捧げます。あと、この本では『回転ジェット』にこだわった喜井さん@中京テレビのガメラ評や、巻頭の佐野史郎さんのインタビューが面白かったな。そうそう、ワールドスタンプブックは私もコンプリートしましたよ。表紙のミクラスのスタンプは貼らずに美品で保存してあります(笑)。


怪獣王/唐沢なをき/ぶんか社/1400円(税別)

 で、もう一冊。これはね、素晴らしい本です。メインは、永野のりこ、岩佐陽一、開田裕治さんらゲストと唐沢さんの対談で、怪獣を語ることによって、自分たちがいかに怪獣が好きかという、愛を表現した一冊。とにかく、特撮でもウルトラマンや仮面ライダーでもなく、俺は怪獣が好きなんだあああああ!という魂の叫びです。唐沢さん自身、飲み屋でのマニア話を本にしたようなものと言っていて、まさにそのとおり、知らない人が聞いたらわけ判らない会話が続出するんですが(一応丁寧な脚注が付けられているが)、これをすべて飲み下し、うなずける人間は確実にいるわけで、かくいう私もその一人。といいつつ、コンドールマンやサンダーマスクはさすがに見ていないんだよなぁ(^^;)。上には上がいるものです。
 先日、某テレビ版組から怪獣怪人物知り王決定戦のようなものをやるので出ませんかというお誘いがあったんですが、丁重にお断りしました。理由は、本当にマイナーな怪獣は図鑑のデータとしてしか知らないから。本当は、そういう番組には唐沢さんや岩佐さんのような人が出て、ガロガ恐獣やら不知火ロボットやら乱れ飛んで、一般視聴者を完全に置いてきぼりにした上で(^^;)、真の怪獣好き日本一を決定して欲しいものだけど、そういう番組にはならないよね、きっと(^^;)。
 閑話休題、巻頭グラビアではかの有名なザルを使って作るカネゴン、シーツを使って作るペスターを本当に作っちゃった製作記もあり、場所は違えど、この人と自分は確実に同じ時代に同じ空気を吸っていたんだということを感じさせてくれます。


01.13 containers

 雄闘モッターくんが購入したiMac DV Special Editionが16GBHDD搭載と聞いて愕然とし(笑)、13GBの外付けHDDを買ってきました。パーティションを切って、一気に容量が増えたのは嬉しいのだけど、デスクトップにずらりと並んだボリュームアイコンが紛らわしく、何か良いデザインはないかと考えた揚げ句、これにしました。何が入っているかはヒ・ミ・ツ(笑)。

(以下、自分でも思わぬ長文になってしまったのでご注意(^^;))

 久米宏が立川談志みたいになって復帰してきてから、雑誌などでは悪評ばかり目にするニュースステーションですが、私にとっては大変面白いです。ま、もともと立川談志が好きですから、久米のあのラフなスタイル(&それにともなうラフなスタンス)も気に入りました。復帰二日目のゲスト大橋巨泉との対談で、『引き際』の話をしていましたが、そういえば病気から復帰してからの談志にも楽隠居の雰囲気が漂います。

 もちろん私も毎日欠かさず見ているわけではありませんが(^^;)、最近のNステの面白さは、枠に縛られない番組作りで、巨泉の時もニュースそっちのけで番組の半分以上を久米との対談に割き、肩の力が抜けて見える反面、番組がある理想型に向かって作られていることを明確に示していたように感じました。

 巨泉は一時期、テレビの世界では終わった人間と見なされていて、そんな人物を何故?と最初は訝しくも思いましたが、話を聞いているうちに分かってきました。巨泉という人は元祖ジャイアンツファンのような人で、話もジャイアンツのことになったのですが、その内容が奮っていました。彼はすでにジャイアンツファンをやめている。何故やめたかといえば、現在のジャイアンツのやり方を肯定していたら、日本の野球はダメになってしまう。そのためにマスコミにいる人間、例えばテリー伊藤やら黒鉄ヒロシがジャイアンツを応援していてはいけないんだというのです。ジャイアンツのやり方は不平等であり、平等を旨とするスポーツの世界でそういうやり方を許していることが、日本に本当の自由や民主主義が根付かないことと同根である、と彼はハッキリ言いました。かつてバリバリのジャイアンツファンだった巨泉の口からこの言葉を聞いて、感動しましたよ、私は。もちろん返す刀でジャイアンツにオンブに抱っこの他球団も批判するし、日テレからおこぼれで頂戴するジャイアンツ戦中継に血道を上げている民放各局も批判する。大橋巨泉、鮮やかでした。

 さらに12日のゲストは渦中の政治家・野中広務。今話題の加藤紘一との確執や選挙時期の話が一通り終わり、久米が来世紀の自民党のあり方について質問しました。驚いたことに、(いささか我田引水ですが)そこでの野中の答えは、私が昨年の大晦日にこの網頁で書いたことと非常にシンクロしていたのです。いわく、今世紀前半の戦争に明け暮れる時代を過ぎ、日本はこの国をどういう国にしようという明確な目的を持たぬまま経済復興だけに勤しんできた。その結果、昨今の陰惨な事件が続発するような日本の社会になってしまった。来世紀は、日本国民がどうあるべきなのか、目的を持った社会的な人間教育、心の教育をしていかなければならない。あまつさえ、国際社会の中で尊敬される国家、人材の育成にまで言及したのです。さらに、政治家として老い先短い自分に(というニュアンスを言外に含み)残された最後の仕事として、中国、北朝鮮を自ら訪れ、友好関係を結ぶことによって、それぞれの軍備や沖縄の在日米軍基地を縮小したい──。ここまでこちらの考えていたことをズバリと言われると、口のうまい政治家、その中でも海千山千の人物のいうこと、鵜呑みには出来ないと思いながらも、心の底で『さすがは野中広務じゃん』と一瞬思いかけました。

 ところがここで初めて、先ほどまで野中の郷里から馴染みの店のコーヒーなど取り寄せ、極めて友好的にインタビューを続けてきた久米が、あからさまに不快そうな顔をして見せたのです。そして、『私たち国民は政治家にそこまでやってもらわなくても、国民一人一人で自分の生き方を見つけます』と、これまたハッキリと言ってのけました。

 実は、先般の文章について私が唯一自分で疑問を持っていたのもこの点でした。つまり、私自身、変革の糸口を社会システムすなわち法律や行政に求めていたことです。国民一人一人の自発的な変革ではなく、システムとして権力からもたらされる変革。これは一歩間違えば非常に危険なことです。野中の言っていたことは、私には非常にもっともに聞こえたけれど、権力が国民の生き方や心にまで踏み込むことに対して、久米はジャーナリストとして本能的に危険を感じ取ったのでしょう。しかし、政治家とは理念を権力によって行使するものだと思うし、野中も間違ってはいない。その瞬間、プロとプロとのレベルの高いせめぎ合いを見た気がしました。

 ただし、かつて当の自民党がNステでの久米発言にピリピリしていたように、久米自身、マスコミというひとつの権力にすでになってしまっているんです。そこで、昨今のマスコミ人としては珍しくハッキリとした意見を言うから、そこに権力臭を感じ取って久米を嫌う人も多いのでしょう。今回、ヒゲを伸ばし黒いジャケットを着込み、アウトロー的なスタイルで番組に戻ってきたのは、自分は大きな組織に属さない、一人の人間なのだということを強調したい、久米宏のささやかな抵抗のような気がしています。

 週刊文春にナンシー関が書いていた『久米はヒゲを伸ばしたかったが、伸びかけのみっともない状態を見られたくないがために3ヶ月間休んだ』という説も、とても説得力があったけどね(笑)。


01.08 忠実なる再現

 私にとって年末年始というのは一年の中でも最も忙しい時期なのですが、こういうときにきまって風邪を引いてしまうのは、怠惰なる精神の証でしょうか(^^;)。今年は高熱が出たりということはないので、躯を騙しながら仕事をしていますが、全身の節々が痛いのと、咳が止まらないのが辛いっす。

 さて、今日の画像。左の可愛らしいソフビは、昨日ある方のところからうちに里子に出されてきたHONGKONG製(?)のゴモラ。そして、これを見た瞬間、あっと思い出したのが右のイラスト。開田祐治さんによるバンダイ社のプラモデルのパッケージアートです。自分の思いこみかなと思って確認してみたら、これはもう確信犯的というか、明らかにこのイラストを見ながら造型していますね(^^;)。右足のかかとの上げ方あたり、ポイントです(笑)。写真では分かりませんが、実は尻尾もかなりイラストに忠実にくねっています。開田さんはご存じかしらん?


01.05 Space Dragon

 辰年記念シリーズPart2 自分でミズノエノリュウというキャラクターを書くまでは、私にとってウルトラ怪獣の中の龍と言えばこのナースでした。アイディアといいデザインといい最高、これぞウルトラ怪獣です。今年の年賀状に、一人ぐらいはナースを描いてくる人がいるかなと思ったけど、残念ながらいなかった(^^;)。
 バンダイのソフビシリーズに、この塩ビ無垢のナースが加わったときは、それは嬉しかったものです(笑)。今ならば頭部の形状などもっとリアルに出来るのだろうけど、ラインナップの中にナースがあるということ自体、凄いこと。この商品化を企画した人は本当にエライ! あとビラ星人とかクレージーゴンとかね。その調子でクール星人やチブル星人も、というわけにはいかないのかな(^^;)。
 ナースというと思い出すのが、その昔スターログでやっていた小松崎茂特集です。小松崎画伯の絵の中に、ウルトラホーク2号(だったかな)のプラモのパッケージアートがあって、ホークにナースが巻き付いているんですが、そのキャプションに仰天。いわく『伝説の龍を見事にメカニック化している』……その記事は小松崎茂特集だから、当然このキャプションは小松崎氏に対して書かれたものですよね。……見事にメカニック化したのは小松崎さんではなくて成田亨さんだってば(笑)。絵にはご丁寧にセブンまで描いてあるというのに、わかってないな、もう。

 前回の円山応挙の絵に関して、HNありさんからメールをいただきました。応挙の絵は、ここで紹介した龍のようにダイナミックなものから、植物などを描いた極めて静的なものまで、非常に幅が広いものなのですね。共通して言えるのは、非常に流麗、スタイリッシュであるということで、国芳などの泥臭い感じとは一線を画します。


01.01 あけましておめでたう


雲竜図屏風
(部分)
円山応挙 1773(安永2)年作 重文

 2000年問題とやらによる事件も(今のところ)なく、無事に新しい年を迎えました。本年もなにとぞよろしくお願いいたします。99年最後のコラムは堅っ苦しくてすみませんでした(^^;)。新年は、また呑気なことをつらつら書いてゆきますので、よろしければおつきあい下さい。
 さて、年賀状の図案を求めて日本画の画集を眺めているうちに、その面白さに魅了されてしまいました。このお正月は、いろんなところで龍の絵を目にしますが、本物はやっぱり違います。彫像に比べ、日本の絵画には今まであまり興味を持ったことがなかったのですが、奇想に富み描写に優れ、西洋画とは違う素晴らしさがあります。花鳥風月などの自然描写や、龍を代表とする空想上のモチーフ(その多くはもちろん仏教画)が多いのも、SF好きな私の興趣をそそります。上の応挙の龍も素晴らしいですが、曾我蕭白、歌川国芳といった画家の作品が気に入りました。それらの絵を見ていると、その末裔である私たちが世界に冠たるマンガ、アニメーション文化を持っていることも納得いきます。
 あ、肝心の年賀状ですが、これから発送するのでちょっと遅れます(^^;)。すみません>すでに年賀状をいただいてしまった皆様m(_ _)m。

 話変わって、大晦日、元旦はスカパー!のファミリー劇場で、かの『西遊記』第1シーズン26話を一気見しています(^^;)。ああ、幸せ。堺正章って、なんてかっこいいんだろう。