12.31 人生クロヤマアリ

 ハッと気がつきゃ大晦日っすわ。クリスマス過ぎるとアッという間にお正月ですね。それでこないだ真ちゃんもツリーの飾り付けしながらお正月の唄歌ってたんだね。
 ていうか、クリスマスの飾り付け、出しっぱなしですみませんでした。うちのサイトの場合、お手軽な割りには思いっきりクリスマスなデコレーションだから、半端じゃなく恥ずかしいです。桃の節句を過ぎてもお雛様を出しっぱなしにしておくとお嫁に行くのが遅れると言うけれど、クリスマスツリーしまわない子にはサンタが来てくれなくなるとか、そういう罰則規定ってありましたっけ?

 息子がボードゲームに興味を持つ年頃になりまして、テレビマガジンの付録の略式の人生ゲームで遊んでいたんですが、もの足りなくなってきて本物の人生ゲームを買ってきました。ここ2、3日、家族で人生ゲームばっかりやっています。自分でも、人生ゲームなんて何年ぶりか忘れちゃっているぐらい久しぶりで、ルールなんかもほとんど憶えていなかったんですが、やってるいるうちにどんどん思い出してきます。「ああ、2万ドル札は黄色で10万ドルは白だったな」とか、「約束手形は赤だった」とか、昔と同じで懐かしくなる部分も多いんですが、職業の選択肢にプログラマーが入っていたりするのは今風に改良がなされているんでしょうね。サラリーマンコースと専門職コースに分岐するのって昔からありましたっけ? 私はもっぱら専門職コースで弁護士になって「やっぱ儲けるなら株だね、吾郎ちゃん」とかいいながら楽しんでいます。やっぱ年末年始は人生ゲームですな。

 さて、2002年最後の更新なので、何か今年一年を振り返るような、実のあることを書こうと思ったんですが、最近の自分の文章を読んでみると、ここ何年か言ってることに進歩がないなと痛感します。だから無理矢理にでも変化が欲しかったというのも、『宇宙船』のライターを辞した一因でありました。飽きっぽいというわけではないのだけれど、変化のない人生には耐えられないし(その割には『宇宙船』には14年もお世話になりましたが)これからまだまだ人生を楽しもうと思っています。そのために自分の中にある好奇心や欲というものをもっともっと大切にしていきたいなと、思います。

 人生ゲームで大損して泣きべそをかきそうになった息子に、ゲームに勝つコツを教えてあげました。それは「ゲームを楽しむこと」。──負けても勝っても、ゲームが終わるまではそれを楽しむこと。それが、最終的にどんな結果になろうとゲームに勝つ唯一の方法だと思っています。


12.25 ジャンボでキング

 毎年やっているクリスマスヴァージョン、今年だけやらないのもナンなので……って、確か去年も同じこと書いた気が(^^;)。
 画像はクリスマスとは何の関係もないのだけど、ウルトラ怪獣ソフビ道のジャンボキング。どっちかというと、すでに気分はお正月の獅子舞という感じなんだけど、賑やかしくていいでしょ。

 ていうか、このジャンボキング、かなり気に入ってます。怪獣のオモチャも有名どころは出尽くしていて、今さらゴモラだのレッドキングだのエレキングだのツインテールといった商品化の定番どころには飽きてしまって、こういう第2期の不遇な怪獣の商品化こそがファンの望むところでしょう。願わくばウルトラ怪獣ソフビシリーズのレギュラーサイズで欲しいけど、ソフビ道、小さいなりに手堅いデキでなかなかいい感じです。

 第2期の怪獣ってやはり思いのほか商品化に恵まれていなくて、それはオモチャの企画をしている私たちの世代(よりもちょい上なのかな)の思い入れの差と、当然ながら売れるものしか作れないという営業的な側面はあるのだろうけど、もう少しラインナップに幅というものが欲しいと思う今日この頃。たとえばタロウのムルロアなんて、ウルトラベル登場編というイヴェント怪獣であるにもかかわらず、かろうじてキングザウルスシリーズに入っていた記憶があるぐらい。ガチャポンHGにも入ってないよね。もっとも決して見栄えがいいとは言えない怪獣だけれど……。
 このところ、この怪獣ソフビ道にビーコンがラインナップされたり、HGにブニョが入ったりと、快挙というべき商品化が続いているので、期待はしていいと思うんだけど。最終回怪獣だけでも、ゼットン2代目はともかくバット星人、サメクジラ、ブラックエンド、マーゴドン……なんだ、2期3期軒並み商品化されていないじゃないか(^^;)。メーカーさん、よろしくお願いします。あ、あと第1期だけどザラガスもぜひ。

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 更新をサボっていた間にここで書こうと思っていたこともいろいろありまして、その中のひとつが、本当に久しぶりに観に行った劇団・扉座の公演「いちご畑よ永遠に」のことだったりします。

 扉座というのは映画「超高層ハンティング」(懐かしいでしょ)の取材で俳優の岡森諦さんと知り合ったのが縁で公演に通うようになった劇団です。まあ演劇ファンの方には説明するまでもない有名な劇団なんですが。横内謙介さんの選ぶ題材が自分のその時々の興味にピッタリと合っていたりするもので、ここしばらく足が遠ざかってからも、何かの機会にまた観られればと思っていました。
 今回の公演はタイトルからも明らかなように、ジョン・レノンの生涯を題材にしたものです。横内氏が語る「40歳というジョンが亡くなった年齢を自分が迎えるにあたって、自分の中でジョンという存在に決着をつけておきたかった」という気分は、まさに今の自分にぴったりで、これはぜひ観ねばと思ったのでありました。「ウルトラマンダイナ」で縁浅からぬ山田まりやさんが客演だというのにも何か因縁めいたものを、かなり自意識過剰ではあるのだけれど(^^;)感じたりして。

 結論から言えばお芝居は、横内さんのいうような「決着」がついているとは思えず、やっぱり僕たちの世代にとってジョンというのは生涯引きずっていかなければならない存在なのだなあということを再確認してみたり。山田まりやさんはじめ、役者はみんな大熱演で、舞台そのものは非常に満足のいくものだったんですがね。見終わった後、意外と醒めてしまった一因が、お芝居のエンディングが出演者によるHappy Christmasの合唱だったから、ということもありました。ずるいよそれ。

 クリスマスということで、このところTVやラジオから聞こえてくるのはクリスマスソングばかり。ジョン・レノンのHappy Christmasもしょっちゅう耳にするんだけど、米国やら左上隣の国をめぐるきな臭いムードを思うと、果たしてこの曲が本来含んでいるメッセージが、今どの程度聞く人の耳に届いているのか疑問に感じます。思えばジョンが亡くなって神格化されてしまうまで、この曲はクリスマスソングとしてはさほど人気があったとは思えません。というか、ジョンという存在、もしくはジョンがこの曲を書いた時代的な背景が生々しかった頃には、クリスマスの浮かれ気分で耳を傾けるには、この曲のテーマは重すぎた気がします。それが形骸化したからこそ、ポップスとしての地位を得たのではないか、そう考えるのは勘ぐりすぎでしょうか(^^;)。

 どうもね、現実論がますます幅を利かせる世の中にあって、ジョンが掲げたLOVE&PEACEという理想であるとか、それを盲信するイノセントな態度というものが、どんどん過去のものになっていくような気がするんですけど。いや、確かに70年代はすでに歴史の彼方に過ぎ去り、ジョンが亡くなってからもこれだけの年月が経っているのだから、いつまでも同じポリシーにこだわっているのもどうかと思うので、その意味でも横内さんがつけようとした決着には期待していたんだけれど。それとも、舞台を見ていたくせに伝わっていないのは私だけなのかしらん(^^;)。

 クリスマスには戦争をしないのなら、一年中クリスマスにしちゃえばいいのに。