10.17 Let's play two !

 お久しぶりの更新です。

 同時多発テロに端を発した戦争が続いていて、あいかわらず憂鬱ですが、それにも増してこの国の対応のいい加減さはなんとかならないものでしょうか。対テロ法案とかなんとかいって、要するにやっていることはアメリカのご機嫌とりのための付け焼き刃、泥縄もいいところです。人気のあった首相もだんだんメッキが剥げてきたようで、先の選挙で与党を大勝させた有権者は、今の状況をどう思っているんでしょう?

 なんて愚痴はさておいて、シアトルマリナーズがリーグチャンピオンシップ出場を決めたのが、個人的には本当に嬉しいです。ヤンキースは強敵だから、これ以上は難しいかもしれないけれど、大リーグ1年目にしてここまで登りつめたイチローの姿を見るのは楽しいです。

 思えば今年の野球はイチローの活躍がその話題のほとんどをさらったけれど、熱パの末の近鉄の劇的な優勝や、ローズのホームラン記録などもあり、ジャイアンツを中心にした日本式野球報道の偏見で見なければ、最高にエキサイティングな一年でした。森横浜も、勝率でカープを下回るウソ3位とはいえ、そこそこ見せてくれたし。

 また一方で、今年は自分でプレイする野球の方でも非常に楽しいシーズンを過ごしています。試合を通じて、わがチーム・ハーキュリーズと友好関係ができたのが東京シンズというチーム。先日も、降りしきる雨の中、グラウンド整備を挟んで泥だらけになりながら2試合も行い、お互いの野球馬鹿ぶりを確かめ合ったばかり(笑)。そんなシチュエーションにピッタリなのが、このマンガに登場するセリフ、“Let's play two !(もう一試合やろうぜ!)”でした。

 東京シンズのエースピッチャーで、漫画家である渡辺保裕さんが新潮社「週刊コミックバンチ」で連載しているのが、写真の『ワイルドリーガー』です。

 これがもう、野球好きの熱い魂が結晶になったような作品です。現在の日本プロ野球に少なくなった本当の“荒ぶる男”の姿を通して、プロ野球の魅力とは何なのか、プロ野球がメジャーリーグのマイナーに墜さないためにはどうすればいいのかという、ホットなテーマに迫ります。いや、単純にマンガとしてとにかく面白い! 知り合いの作品ということを抜きにして、お勧めです。特に野球好きを自認する方なら、このマンガの本当の面白さを堪能していただけると思います。発売されたばかりのコミックス第1巻をぜひどうぞ。新潮社より、税別505円。